|
正しい歯みがき=ブラッシングについてお伝えしたいと思います。日本は欧米に比べると依然虫歯や歯周病の罹患率が高いと言われています。歯科医師会が進める8020(ハチマルニイマル)運動(80歳までに20本の歯を残す)も、現状は残念ながら80歳で残っている歯は5本前後です。では、欧米に対して生活習慣を比較してみると、歯ブラシの回数はかなり高く、砂糖の摂取量も少ないです。
それにもかかわらず、虫歯や歯周病が減らないのはなぜでしょうか?いくつか原因は考えられますが、その中の重要な一つがブラッシングです。今、ブラッシングの回数はかなり高い方だと書いたばかりなのにという反論が聞こえそうですが、ここに落とし穴があります。
大事なところは、「磨いている」と「磨けている」は違うということです。よく、食べかすがつまって虫歯になるという説明を受けた事がある方もいらっしゃると思いますが、これは正確な表現ではありません。食べかす(特に糖分を含むもの)に口の中の細菌が関与して、細菌の塊であるプラークを形成します。その中で初期の虫歯は進行していきます。
例えば、1日3〜4回磨くけれどもどうしても虫歯になるという方は、1回のブラッシングにどのくらい時間をかけているでしょうか。我々が日頃患者様にご指導する様な磨き方を歯の隅々まですると、最低でも10分〜15分はかかります。実際に計りながら行なうとわかりますが、かなり長い時間になります。
歯磨き粉をたっぷりつけて磨くと、すぐに口の中がアワだらけになり、すぐにうがいをしたくなります。べつにうがいをしても構わないのですが、その時点である程度の爽快感(歯磨き粉による)を得られるため、さらに続けて歯磨きを続ける人は少ないと思います。ここに磨いているけれども磨けていないという状態が出来上がります。
歯磨きは、自分で思う以上に実はくせがあり、よほど意識しておかないといつも磨けている部分と全く磨けていない部分がお口の中に出来上がります。当然磨けていない部分からは虫歯や歯周病が発生します。
前述したプラークは、大体24時間〜48時間でできると言われています。ということは、1日1回で構いませんので歯の隅々まで徹底的に清掃すれば、プラークの形成を抑制できるため、病気にはつながらない事になります。菌は寝ている時が唾液の作用が落ちるため活動が盛んになりますので、寝る前のブラッシングが最も効果的になります。
私もお酒が好きな方なので、街に出て2〜3件回るといい気分になり、午前様で帰ってきてそのまま寝てしまう事も時々あります。いろいろ飲み食いしてお酒も入っているので虫歯菌はここぞとばかりに活動していると思います。そのような時は、私は次の日の朝、徹底的にブラッシングを行ないます。その結果、私は結構歯の治療していますので元々歯が強い方ではないのですがここ最近虫歯ができたことはありません。
生真面目な人は、1日3回食後に必ずブラッシングをしないといけない。寝る前を含めると4回のブラッシングをしないといけないという強迫観念にも似たような思い込みをされている方もたまにいらっしゃいます。もちろん口臭予防やお口の中の爽快感、エチケットとして回数を多くするのは一向に構わないのですが、たまに忘れてもすぐに病気になる訳ではありません。1日〜2日の間のどこかで取り戻せばよいくらいのおおらかな気持ちで構えておいてください。
ただ、できれば1日に1回は徹底的に磨いてください。歯磨き粉はつけなくても良いのですが、つけるとしても米粒か小豆くらいの量で十分だといつもご指導しております。そのくらいだとあまりアワもたたずに長時間のブラッシングができます。また、ながら勉強はだめと言われますが、ながら歯磨きは奨励しております。歯磨きだけで15分もしようと思うと、なかなか続きません。ですから、お風呂で湯船につかりながらとか、テレビを見ながらとか、歯ブラシの当て方さえ意識しておけばそんなに複雑な思考を必要とするものではありませんので、ながらで十分です。そうする事により、長時間のブラッシングも苦痛ではなくなります。
院長おすすめ音波歯ブラシ
どの分野でもハイテクが進み、省力化と効率化が行なわれています。ブラッシングに対してもお勧めの電動歯ブラシが出てきました。これを使うと2分でブラッシングが終わり、高い効果も得られます。
私が皆様にぜひぜひお勧めしたいのが、音波ハブラシです。深夜の通販などでも紹介されていますので、ご存知の方も多いと思います。
薬局やホームセンターなどに行くと、電動ハブラシと呼ばれるものがほんの数千円からたくさん売られています。私がお勧めする音波歯ブラシは、種類にもよりますが、1万円〜2万円程します。では、その値段の差は何なのでしょうか。
実は、私は少し前までは電動歯ブラシ否定派でした。障害者の方や、どうしても普通の歯ブラシによるブラッシングができない方に限り使うものだという認識を持っていました。ところが数年前に音波歯ブラシという新しい概念と構造を持った歯ブラシが発売され、自分自身がモニターとして使ってみて、その考えが180度変わりました。
音波はブラシは、毎分31,000回という超高速振動と、左右約5ミリの幅広い振れ幅がパワフルな液体流動力を引き起こします(ソニーケアーの場合)。それにより、歯ブラシが当たっているところはもちろん、毛先の届かない歯間部や歯周ポケット内まで歯垢を効果的に除去できます。この動きを手で再現しようとしても、もちろん不可能です。
また、ブラッシング効率が高いため、歯ブラシそのものを従来のようにごしごし動かす必要が無く、歯全体に毛先が満遍なく当たるように意識してずらしていけば、2分で全てのブラッシングが終了します。もちろん清掃具合も手で行なうより高いと思います。男性などは磨く歯ブラシ圧が強すぎて、歯が磨耗して知覚過敏をおこしたりする事もあるのですが、音波ブラシは約五ミリの微振動ですので、その様な危険も減ります(歯磨き粉はあまりたくさんつけなように)。また、その微弱な振動が歯ぐきのマッサージにもなり、歯ぐきの血行を促進します。
最近、持っていたのだけれども使っていなかったという歯周病の方が音波ハブラシを使い出したところ、歯ぐきがあっという間にしまってきて歯のグラグラも止まり、もっと早く使えばよかったとおっしゃっていました。歯周病は細菌による疾患なのですが、音波の振動によりその細菌の活動も抑えられる事もわかっています。
歯科に治療法はここ20年ほど材料の改良等はあったものの、大きくは変わっていないといわれています。その中で、ハイテクを結集したこの音波ブラシは画期的と思います。私も使い続けています。一見高いように感じますが、それで虫歯や歯周病が防げれば私はかなり安い買い物だと思います。皆様はどうお考えでしょうか。私は自信をもってお勧めします。
|